新美術新聞

 撮影:川島保彦 90年初めより東京の都市風景を撮りはじめ、個展などで発表を続ける。

    2010 7/21 No.1222        
 

 18 

㈻北里研究所名誉理事長
㈻女子美術大学理事長
日本学士院会員

大村 智さん
おおむら さとし

 

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絵は趣味であり薬(メディシン)、実学の精神で社会に貢献

 「優れた美術品は個人で楽しむだけでなく、人類全ての共有財産」との考えから、07年秋、40年来蒐集した美術品約千点により韮崎大村美術館(山梨県)を故郷に開設、1年後には美術館を韮崎市に寄贈した。日本で唯一、女流画家を展示の中心に据える。
 カレンダーの切り抜きを家に飾ってくれた母の影響から、幼い頃より絵に親しみ、展覧会があれば1人でどこへでも出掛けた。研究者となり夜考え込んで眠れなくなっても、絵を眺めていれば自然と心が休まる。荻太郎、鈴木信太郎、堀文子を最も好み、「絵は私の趣味であり、薬」という。開発した薬品のひとつは世界中の1億3千万人が服用する。講演料や特許報奨金等はたちまち美術品に変貌した。
 縁あって97年より女子美術大学の理事長に就く。大学は2000年に百周年、今年百十周年を迎え、記念行事が目白押しである。百周年では5万人の同窓生をまとめ上げた。百十周年では教職員と卒業生を結束し、行事を成功させ飛躍の年にしたいという。「皆それぞれよい才能を持っている。それらが活かされるよう方向性を示し、よりよい大学にしたい」。
 数々の要職により国内外を奔走する毎日だが、肩書きにまたひとつ青木繁「海の幸」会理事長が加わった。近年、幕末の思想家・横井小楠を研究しつつ、座右の銘「生ききる」ことを目指し、世の中の役に立つ実学の精神を日々実践している。

           
    2010 6/21 No.1219        
 

 17 

作家・上海万国博覧会日本産業館代表兼総合プロデューサー
堺屋太一さん
さかいや たいち

 

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「上海で万博をやろう」…26年目の夢の実現

 「人類の進歩と調和」をテーマにした大阪万博の立役者・堺屋太一さん(1935年大阪生まれ)。あれから40年。上海万博では「日本の創るよい暮し」をテーマとする日本産業館の代表兼総合プロデューサーとして大活躍。時代をリードする創造力、エネルギーには誰も驚かされるが、その真価は志の持続力にこそある。
 「1984年から上海で万博をやろうと、最初は氏、その後任の氏と、2代の上海市長に呼びかけ、建国50周年の99年に開催の意思決定をいただきました」と堺屋さん。しかし99年を目標に進み始めた第1期上海万博の計画は89年の天安門事件により立ち消え、江沢民市長は国家主席に就任。しかし97年、上海市長が、国務院総理に就任すると、再び上海万博開催の機運が高まった。堺屋さんはこの第2期運動にも招かれ、04年まで上海市の顧問を務めた。
 「中国と私が26年間かけて創った博覧会です。固有名詞も、特色も出さない日本の官僚システムのせいで、政府館の展示技術は40年前と変わりません。だからこそ民間企業による日本産業館を作ったのです」と本音を語る。長さ60m、幅20mの光(LED)の天井画「日月天飛翔」(原画・絹谷幸二)が出迎える日本産業館に足を運び、堺屋さんのメッセージを直に読み取ってもらいたい。

           
    2010 6/11 No.1218     2010 5/21 No.1216     2010 4/11 No.1213
 

16akiyama ● 16 
美術家
秋山 祐徳太子さん
あきやま ゆうとくたいし

4年ぶりの個展“高貴(こうき)骨走(こっそう)”降誕するダリコ佛

ついに「高貴高齢」の仲間入りを果たした秋山祐徳太子(1935年東京生まれ、本名・祐徳)。「75歳といったら人間骨董品ですよ」と語るが、眼光の鋭さは変わらない。そして4年ぶりの個展「高貴骨走」が東京新宿のアイショウミウラアーツで5月28日から6月27日まで開催されている。

 

tatehata ● 15 
あいちトリエンナーレ2010芸術監督
建畠 晢さん
たてはた あきら

名古屋に舞いおりる72日間の祝祭

 8月21日から10月31日まで開かれる「あいちトリエンナーレ」。一昨年の夏、その芸術監督に任命された。愛知芸術文化センターなどを拠点に、現代美術と大規模なオペラやダンスなどパフォーミング・アーツを複合し、都市部で開く特色を打ち出す。

 

funakoshi ● 13 
彫刻家
舟越 桂さん
ふなこし かつら

新しい視点から迫る舟越の作品世界

 遠くを見つめる眼差しと静かに佇む木彫による人物像で知られる彫刻家・舟越桂(1951年生まれ)。初期の着衣の半身像から、近年の長い耳をもつスフィンクスシリーズに至るまで、一貫して人物にこだわる制作を続けている。

           
    2010 3/11 No.1210     2010 2/11 No.1207     2010 1/1・11 No.1205
 

fukuhaara ● 12 
資生堂名誉会長、東京都写真美術館館長
福原義春さん
ふくはら よしはる

館長、写真家として文化に尽くす

 館長を要請された2000年、東京都写真美術館は年間予算が漸減し、入館者数も低迷。友人には「その美術館は上野か」と聞かれる知名度しかなかった。「これは僕の出番かなと思った」と振り返る。

 

 

kusama ● 11 
前衛芸術家
草間彌生さん
くさま やよい

あいちトリエンナーレ2010」でのオマージュ

 世界に発信するアーティストのトップ・バッターでもある。57年に渡米。以来16年間にわたり、ニューヨークを拠点に、ファッションから彫刻、絵画、インスタレーション、新聞の発行、美術館での講演会と目まぐるしい活躍を続けた。73年に帰国。

 

yamamoto ● 10 
アートソムリエ、サラリーマンコレクター
山本冬彦さん
やまもと ふゆひこ

アートの普及、若手作家の支援を促す

 30年で約1300点のアート作品を蒐集した。「サラリーマンコレクター」として週末にギャラリーを巡り、同時代作家を中心に「いいものがあれば」購入、積もりに積もった結果という。


           
        12/11・21 No.1203         11/11 No.1200            10/11 No.1197
 

shoshu ● 9 
書家
祥 洲さん
しょう しゅう

中・独・仏、海外からの書の情報発信

 近年、書はパフォーマンスを中心に広がりを見せているが、純粋に芸術として伝統と現代を切り結ぶ仕事にはなかなか出会えない。2006~07年、メルセデス・ベンツのテレビCM、新聞、雑誌広告の背景に突如現れた墨象の新鮮な表現…この作品を制作したのが、今回登場願う京都生まれ、京都育ちの祥洲さん(51歳、墨集団翔Sho代表)である。

 

katsuta ● 8 
公益財団法人サントリー芸術財団専務理事
サントリー美術館支配人

勝田哲司さん
かつた てつじ

公益法人化で更なる満足度アップを目指す

 今年4月よりサントリー美術館の支配人に就任した。学芸員、職員約25名を統括し、ショップ、カフェなどを含めた総勢約100名の体制に目を配る。
 1976年サントリー(株)に入社以来、主に文化事業畑を歩いてきた。2003年にはサントリーパブリシティサービス(株)代表取締役社長に就任、指定管理事業を展開し、島根県立美術館や山梨県立美術館にてビジネスの一つのかたちを作り上げ軌道に乗せた。

 

morita ● 7 
日本画家
森田りえ子さん
もりた りえこ

喝采のフランス展、国内4会場をめぐる

 フランス・パリで5月から7月に開かれた個展『BEAUT_S DIVINES』が、この秋に国内4会場で開かれる。現地スタッフがつけたタイトルは〝美の女神〟の意味。フランスの観客からは〈夢のように美しい旅路〉〈楽園にいるような気分〉といった称賛が贈られた。「そこまでの言葉は期待していなかったので、本当に励みになった。涙が出そう」とふり返る。

           
       9/11 No.1194        8/21 No.1192        7/11 No.1189
 

yazaki ● 6 
刺繍カフェ企画者、ギャラリーオーナー
矢崎順子さん
やざき じゅんこ

針と糸で拡がる新しい世界

―カフェの一角で10数名の若い女性たちが黙々と刺繍をしている―「ステッチ・バイ・ステッチ」展 (東京都庭園美術館・9月27日㈰まで)のイベントとして、隣接の「cafe 茶洒」で開かれた「刺繍カフェ」の光景である。絵柄がプリントされた布をベースに、針と好きな色の糸で思い思いに刺繍を進める。 (中略)
東京都生まれ。慶應義塾大卒。33歳。

取材協力:cafe 茶洒 sahsya kanetanaka(東京都庭園美術館正門横)

 

sakai ● 5 
世田谷美術館長
酒井忠康さん
さかい ただやす

公立美術館の明日を見据える

全国の公立美術館124館が加盟する美術館連絡協議会(略称「美連協」)が25周年を記念して「日本の美術館名品展」(4月25日~7月5日・東京都美術館)を開催、加盟館の名品・逸品を選りすぐり、18万人超の予想を上回る入場者を迎えた。(中略)
北海道生まれ。68歳。世田谷美術館長。美術館連絡協議会理事長。



 

takahashi-ryutaro ● 4 
精神科医
高橋龍太郎さん
たかはし りゅうたろう

コレクションという病に取り付かれて…

1997年、会田誠、草間彌生らのコンテンポラリーアートと出合って以来、蒐集は既に1000点を越える。「幼形成熟」を意味する「ネオテニー・ジャパン―高橋コレクション」展(小紙6月21日号既報)が、7月15日まで上野の森美術館(引き続き新潟、秋田、米子を巡回)で開催中。また4月には、三井ビル1階に「高橋コレ頂クション日比谷」をオープンした。(中略)
山形県生まれ。63歳。精神科医、「医療法人こころの会」理事長。

 

         
 

     6/11 No.1186


     5/21 No.1184

 

     4/11 No.1181

 

3nakayama ● 3 
日展新理事長
中山忠彦さん
なかやま ただひこ

半世紀越す日展愛の総仕上げ

文展からの歴史は100年をこす美術団体・日展の理事長に、この春就任した。大分で高校生のとき、汽車に乗って北九州の巡回展へいった。そこで見たのちの師・伊藤清永の裸婦像が日展の原体験。初出品の19歳から、その半生は日展とともにあった。
「これは大変な責任だと痛感しております。まずは、全体の理解と掌握。わたしの仕事は、調整役、まとめ役、そして実行役なのです」(中略)福岡県生まれ。74歳。洋画家、日本芸術院会員、日展理事長、白日会会長。

 

2sumikawa ● 2 
東京スカイツリー・デザイン監修
澄川喜一さん
すみかわ きいち

東奔西走で永遠の60歳

「やっぱり、でかいなぁ」、世界一の高さ610mとなる「東京スカイツリー」(墨田区業平・押上地区、2012年春開業)の鉄骨組み上げが始まり、その「脚」が姿を見せた。巨大クレーンがうなりを上げるなか、建築現場を見ての第一声である。(中略)
島根県六日市町(現吉賀町)生まれ・78歳、文化功労者、日本芸術院会員、元東京藝術大学長、新制作協会会員。
 
 
取材協力:東武タワースカイツリー株式会社、株式会社日建設計、株式会社大林組

 

1osaka ● 1 
横浜美術館館長
逢坂恵理子さん
おおさか えりこ

5代目指名を受けて立つ

いま美術界で最も注視される女性である。
「前の方々は学術系の立派な人ばかり。私は現代美術のたたき上げ。エリートでもない。美術館長というキーワードは夢にもなかった」。逢坂さんといえば、所蔵品を持たない水戸芸術館・現代美術センター芸術監督としての活躍で知られる。(中略)
東京・目黒区生まれ・58歳、学習院大卒。一貫する真摯な姿勢は説得力十分。何かやってくれそうだ。4月1日、就任。
 
    

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